幼児教育と小学校の接続で学ぶ力を「開花」

子どもは、同じ年齢でも興味を持つものや理解する速さが異なります。
小学校で広がる「自分で学び方を選ぶ」実践からは、幼児期の知育や家庭での遊びにもつながるヒントが見えてきます。(※2026年4月28日の朝日新聞の記事を参考にしています)

 小学1年生でも「自分で選ぶ」学び

三重県で開かれた日本教職員組合の教育研究全国集会では、静岡県の公立小学校に勤める村松央道教諭が、1年生を対象とした「単元内自由進度学習」を報告しました。
これは単元の目標に沿いながら、教材や学習方法、進み方などを子ども自身が選ぶ学習です。
村松教諭は、子どもによって理解度や学習速度が異なることから、入学直後から端末などを活用し、それぞれのペースで数や文字に親しめる環境を整えました。
大人がすべての手順を決めるのではなく、「今日は何を使って学ぼう」と子ども自身が考える点が興味深く感じます。

 積み木やカードも学びのきっかけに

算数の授業では、立体模型や積み木などに触れながら考えられる場所や、これまでの学習を確認できるホワイトボードを教室に設置しました。
端末には動画や音声教材も用意され、子どもたちは教室を自由に移動しながら問題を解く方法を探します。
国語と算数を同時に学べるよう、教室を前後に分けた取り組みも行われました。
ことばカードを使った遊びから別の言葉を見つけるなど、子ども同士で自然に学びが広がる場面もあったそうです。
積み木やカードは家庭でも身近なものなので、知育おもちゃや知育絵本も「何かを覚えさせるもの」と考えすぎず、子どもが自分から試したくなるきっかけとして捉えるとよいのかもしれません。

 大人が教えすぎないことも大切

村松教諭は、小学1年生でも子どもに学びを委ねることは十分可能で、自分で選んだ学習では一斉授業より意欲や粘り強さが高まったと振り返っています。
一方、研究者や参加者からは、幼児教育では子どものありのままの姿を大切にし、能力を身につけさせることだけではなく、もともと持っている力を開花させる視点が必要だという意見も出ました。
この指摘は、家庭で知育に取り組むときにも考えさせられます。
「この年齢ならこれができなければ」と焦るより、絵本を何度も読みたがったり、一つのおもちゃに夢中になったりする姿をじっくり見ることにも意味がありそうです。
子どもの興味から始まる遊びを、大人がすぐに正解へ導かないことも一つの関わり方だと感じます。

 「自分で考える」は将来にもつながる

今回の教研集会では、高校の家庭科で人生設計について考える実践も報告されました。
給与や税、社会保障などを学び、親になる人生とならない人生をシミュレーションするなど、自分の将来を考える授業が行われています。
小学1年生の自由進度学習とは内容が大きく異なりますが、どちらにも「自分で考え、選択する」という共通点が見えます。
幼児期の知育でも、大人が答えを与えるだけではなく、「どっちにする?」「どうやってみる?」と子どもが選べる場面をつくることは、日々の遊びの中でもできそうです。
知育絵本やおもちゃを選ぶ際にも、難しさや教育効果だけを見るのではなく、子ども自身が手に取り、試したくなるかという視点を大切にしたいものです。