※画像は福音館書店より出典しています
絵本の読み聞かせは子どもにとって、とても楽しみな時間です。
単に知識を得るだけでなく、想像したり、自分事のように考えたりしながら子どもの心は大きく成長していきます。
子どもが抱く想像力は、大人のそれを超え、驚かされることがあります。
そんな物語を紹介したいと思います。
「おおきなおおきな おいも」あらすじ
子どもたちが楽しみしていた芋掘り遠足の日。
ところが当日の朝、雨が降ってしまい、とても芋掘りはできそうにありません。
一週間の延期と聞いた子どもたちがガッカリしたのは言うまでもないことです。
そこで先生からこんなお話がありました。
「おいもは1つ寝るごとにおおきくなるんだよ。7つ寝るといっぱい大きくなってみんなを待っててくれるよ」と。
そこから子どもたちの想像が始まります。
「おいもはこんなに大きいんだー」
「いやもっと大きくて、これくらいだよー」
と大きい想像を競うかのように、紙に絵を描いていきます。
1枚では足りず、どんどん描き足していくと驚くほどの大きさに。
次にこのおいもをどうやって掘り返すのかというお話になりました。
「バスに乗せて運べばいいかな」
「ダンプカーの方がいいかな」
「いやおいもが大きすぎて車が壊れてしまうからヘリコプターでつるそう」
と子どもたちの想像は止まりません。
子どもの自由な発想を大切に
遠足が延期になったことで、最初は落ち込んでいた子どもたちが想像力を働かせて、大人もびっくりするほどの大きくて素晴らしいイメージを作り上げます。
現実的でないことをどこまでも考えられるのが子どもの特徴であり、長所です。
またこれほどまでに大きな発想になるのは、作者であり絵も描かれている赤羽末吉さんの絵が魅力的ということも要因です。
とてもシンプルな絵ですが、どっしりと存在感があります。
そして主役であるおいも以外は色がついていません。
子どもたちの目には、とてつもなく大きなおいもが印象に残ったのでしょう。
読み終えた後は、達成感や満足感に浸れること間違いありません。
最初のガッカリはどこへ消えたのか、180度ひっくり返って幸せになれる絵本。
子どものみならず、大人も一緒に読んで愉快な気分になっていただきたい一冊です。