園以外で外遊びをしない子どもが増えている?

幼稚園や保育園以外で、週に一度も外遊びをしない幼児が一定数存在しています。笹川スポーツ財団が初めて幼児の遊びや運動に関する調査を行った結果、このような実態が明らかになりました。さらに、費用のかからない外遊びであっても、家庭の経済状況が影響を与えている可能性が示唆されています。
(※2024年6月15日 朝日新聞の記事を参考に要約しています。)

共働き家庭が増える中、幼児の外遊びが減少傾向に

昨年11月に行われた調査は、インターネットを通じて全国の3歳から6歳の幼児の保護者を対象に実施され、3144件の有効な回答が集まりました。この調査では、園外での外遊びや室内での運動遊び、さらに運動に関連する習いごとの状況について分析が行われました。
過去1か月間の平均的な活動状況を尋ねたところ、週に一度も園外で外遊びをしない幼児の割合は8.1%で、約12人に1人の割合に相当しました。特に平日に限定すると、園外で全く外遊びをしない幼児の割合は46.6%にも上ります。財団の武長理栄さんは、この結果について「幼児には保護者の付き添いが必要であり、共働き家庭が増える中、園が終わった後に遊ぶ時間が確保できないことが影響しているのではないでしょうか」と分析しています。

ひとり親家庭の幼児、外遊びや運動習いごとの実施率に差異

ひとり親家庭の幼児について、園外で「週に1日も外遊びをしていない」と答えた割合は13.3%で、両親のいる家庭よりも5.4ポイント高い結果となりました。また、運動やスポーツに関する習いごとの実施率は24.8%で、両親のいる家庭よりも約9ポイント低いことが明らかになりました。この差異については、経済的な事情だけでなく、日常的に子どもの遊びを見守ったり、一緒に遊ぶ時間や体力に余裕がない可能性があると考えられます。

幼児期の運動体験が生涯のスポーツ習慣に重要、社会全体でのサポートを

武長さんは、「幼児期は運動能力が急速に発達する重要な時期です。この時期に自ら動いて楽しさを感じる経験が、生涯にわたってスポーツに親しむために欠かせません。遊びを通じて、スポーツの基本となるさまざまな動きを経験してほしい」と述べています。また、「諸外国では、公園に子どもと一緒に遊ぶ専門のスタッフを配置している例もあります。社会全体で幼児とその保護者を支援する取り組みを進めていくことが求められます」と話しました。