ところが、都市部ではボール遊びを禁じる公園も多く、遊びたい子どもと周囲の安心をどう両立するかが問われています。
(※2026年2月17日の朝日新聞の記事を参考にしています)
公園で思い切り遊べない子どもたち
東京都内では、サッカーや野球ができる公園が少なく、スポーツをしたい子どもが有料のクラブチームなどを利用せざるを得ない場合があります。
家庭の経済状況によって、遊びや運動を経験できる機会に差が生まれるとすれば、少し寂しいことだと感じます。
また、公園に禁止の看板があると、軽くボールを転がす程度でも注意されるのではないかと、保護者が不安になることもあるでしょう。
子どもが安心して遊べるはずの場所で、周囲の目ばかりを気にしなければならない状況には疑問が残ります。
禁止区域を分ければ解決するのか
日本体育大学助教の寺田光成さんは、遊ぶことは子どもの権利であり、発達に欠かせないものだと指摘しています。
一方で、ボール遊びができる公園や専用区域を設ければ、すべてが解決するわけではありません。
専用の場所が早朝から競技練習に使われれば、近隣住民が騒音に悩まされる可能性もあります。
反対に、小さな公園でも、子どもたちが周囲に配慮しながら問題なく遊べているケースもあります。
できる場所とできない場所を一律に決めるだけでなく、利用時間や遊び方について地域で話し合うことが必要ではないでしょうか。
約100年前から続いている問題?
寺田さんが2019年に行った研究では、全国の街区公園について、6割の自治体がボール遊びを禁止しており、特に大都市で多いことが分かりました。
さらに、禁止された時期については9割が不明だったといいます。
大正時代の新聞にも公園での野球禁止を伝える記事があり、この問題は約100年前から繰り返されてきました。
最近の子どもだけがマナーを守れなくなったために起きた問題ではないと分かると、公園の役割そのものを見直す必要があるように思います。
ただし、事故や苦情が発生した際に責任を求められる行政が、簡単に許可できない事情も理解できます。
地域で「遊んでいい」を増やす
子どもの行動範囲を考えれば、小学校区内にボール遊びのできる場所があることが理想です。
近くの公園で対応できない場合は、小学校の校庭開放を求める方法もあります。
ある自治体では、公園への苦情のうち、子どものボール遊びに関するものは10%だったとされています。
苦情を軽視することはできませんが、漠然とした印象だけで禁止を続けるのではなく、実際の状況を確認することも大切です。
子どもや保護者、近隣住民、行政が意見を交わし、互いに守れるルールを考えることで、少しずつ信頼関係が生まれるのではないでしょうか。
公園で元気に遊ぶ子どもの姿を、迷惑ではなく地域の活気として受け止められる社会であってほしいと感じます。