時代と共に変わっていく・・・「今どきの節句事情」とは?

ジェンダーに対する考え方が多様化する昨今。3月3日の桃の節句と共に、5月5日の端午の節句も祝い方に変化が生まれているようです。
伝統を楽しみながらも、男らしさや女らしさにとらわれ過ぎないような価値観が広がっているようです。

大谷翔平効果でかぶる兜が人気?現代は「強さ」よりも「賢さ」を求める保護者

メジャーリーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、ホームランを打ってベンチに戻ってきたときに、兜をかぶって祝福されている映像を見たころがある方も多いでしょう。
今年は樹脂でできた軽くて丈夫なかぶれる兜が人気だそうです。

また、最近は男の子に求めることに「強さ」ではなく「賢さ」を挙げる保護者が多いとのこと。5月人形も、勇ましく戦っている姿よりも、インテリアになじむようにパステルカラーを基調とした商品も人気だとか。

また、刀を振り上げたり勇ましく弓矢を構えたりす人形よりも、賢さの象徴である帳面とペンを持つ五月人形が今年は売れ行きが良かったそうです。

新型コロナやウクライナ情勢、台湾情勢など変化が激しい世界情勢。「物事の本質を探求できる賢い子に育ってほしい」と願う保護者が多いそうですね。

今の時代は、おひなさまも男女ペアじゃなくていいんです!

最近はお内裏様がいない、女びな2体で売りに出す業者も出てきました。
女性同士のカップルが買い求めたり、女性カップルが里子を受け入れて「お母さんが二人」という状況を表現するために購入したりするそうです。

また女の子2人姉妹の家庭では、それぞれが好みの人形を選んで購入することもあるのだとか。いつまでも古い価値観にとらわれる必要なないようですね。

もちろん、男びな2体で購入するカップルも。
さらには、男の子だけれども「お雛様がいい」という男児もいて、その子が好きな方を購入する、という考え方も広まっています。
女の子でも空を悠々と泳ぐこいのぼりにあこがれている、という子もいるそうですよ。

これからは、性別を決めつけたり、男らしさや女らしさを強調したりするのは時代に合わなくなっているのかもしれません。

伝統行事では異性愛だけが前提で、しかも子孫繁栄や子宝にちなんだ云われが多いです。

 

これからは多様性が重んじられる時代。「こうあるべき」と決めつけず、伝統も素晴らしいけれども柔軟性を持って、その子に合ったお祝いの仕方をすれば良いのではないでしょうか。

 

2023年5月5日(金)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。