カナダ・ケベック州-保育無償化で子どもの発達に異変

日本では2019年から幼児教育・保育の無償化政策が始まりました。
実はかなり前に保育所の利用料を大幅に下げた国(州)があったそうです。
それは、カナダ・ケベック州。
そこではいったいどんなことが起きているのでしょうか。

1997年に保育所利用料を大幅に引き下げたカナダ・ケベック州

利用料が大幅に引き下げられた結果、当然ですが保育所の利用者は増加しました。働く母親も増加。しかし子どもへの影響はどうでしょうか。
最新の研究では子どもの発達にあまり良くない傾向が見られたとのこと。ちょっとショッキングなニュースです。

非認知能力などに負の影響か?

1997年以降、保育所の利用者が増え、保育園に通う子が増えました。しかしその子ども達が10代20代になった時に以下について負の傾向が見られたそうです。

・非認知能力
・健康面
・犯罪への関与
・攻撃性(特に男子)
・多動性(特に男子)

有力な仮説のひとつが「保育の質の低下」と言われています。

日本が今からできることは

海外の研究ですが、これは重要な意味を示しています。このように幼少期からの育ちの部分で負の影響があると、その後長期間にわたって影響が表れます。
今後10年、20年経った後、保育の無償化が親の就労増加にはつながったとしても、子どもの育ちに悪い影響があった、などどならないように、今日本に何ができるのでしょう。

まずは現状の保育の質を知る

静岡県裾野市の保育所で、子どもへの暴力が発覚したのは記憶に新しいでしょう。その後国が全国の認可保育を調査したところ、不適切保育が914件、うち虐待が90件もあったそうです。
ただ、これを単純に「保育士が悪い」と叫ぶだけでは根本的な問題は解決しません。日本では今、園児に対して保育士の数が圧倒的に足りていないのです。

保育士の問題ではなく、そもそも構造的な問題

日本では、業務に重複が多いわりには実施率が低く、課題が多いです、とにかく無駄を廃止し、保育の質の向上にもっと目を向けるべきでしょう。
国によっては、保育の質を定点観測し、質の向上を支える行政機関を設置している国もあるそうです。

待遇改善と無駄の排除は急務

保育業界は常に人手不足が続いています。ですが、地域差がかなり大きいとも聞きます。保活激戦区と定員に満たない地域とがあります。
その地域の状況に応じて、保育士が足りない地域はさらに待遇を改善して働きやすくしたりICTを導入して効率を高めたりする必要があるでしょう。
保育の質を向上させるための待ったなしの政策が求められているようです。

今求められているのは「保育ICTシステム」機能が豊富で使いやすい画面!

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2023年8月31日(木)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。