今から心配?学童の昼食事情

夏休みも終盤。保育園時代は行き帰りの送迎は重労働です、一度預けてしまえばある意味安全な場所にいてくれるので安心です。
また昼食も提供されるのでその安心材料も大きいですね。
一方「小1の壁」とも言われる学童保育問題。全国的にかなり空きがなく、預けられない保護者もいて問題となっています。
さらに昼食。基本的に弁当持参の学童が多く、保護者の負担の大きさが問題となっています。

要望は多く、弁当に対応する自治体も出てきた

東京都三鷹市の公設学童保育では、今年から全ての学童保育で希望者に弁当が提供されるようになりました。一食550円。保護者は「毎朝5時半に起きて弁当を作るのは苦行だったから助かっている」と話しているそうです。
仙台市でもは実験的に4カ所で弁当を提供するモデル事業を展開しているとのこと。作るのは障がい者就労支援事業所。一食480円、大盛りは500円。保護者がネットで事前に注文する仕組みです。
品川区でも一か所で仕出し弁当を注文できるようになりました。品川区では、親の就労に関係なく学校施設を使って子どもの居場所を提供しています。
ただ、アレルギーへの対応はしていないとのこと。

導入率はわずか22%。対応できる事業者が不足している

子ども家庭丁は、学童保育における昼食の提供について、全国の1633自治体に調査を行いました。5月1日での結果によると、状況が把握できたのが995自治体、10,3097箇所のうち、22.8%しか児童に昼食を提供していませんでした。
提供方法について、施設が外から手配が約6割、施設内で調理は約2割、保護者会などの外部から手配は約1割となっています。
自治体からは、「食物アレルギーの児童もいるので、一律の提供は難しい」といった声も挙がっているそうです。

限られる「大量注文」と「安価」

仕出し弁当を大量に準備できる業者は限られます。メニューや味付けが大人向けの業者も多いです。
ある東京都の保護者は「注文弁当を子どもが嫌がるので、結局弁当を持たせている」と語っています。
また、採算が取れないため、自治体の依頼でも嫌がる業者が少なくないそうです。「事業化は難しい」という反応も多いそうです。
さらに、「業者から弁当を受け取り、希望の子にチェックしながら渡す、という作業はスタッフにとって負担が大きい」という声もあるそうです。

子ども園の給食を活用、一緒に調理するところも

保護者の中には「提供してくれるとありがたい」という人もいれば「子どもに作ってあげたい」という人もいます。
島根県益田市の「どんぐり児童クラブ」では、こども園で作ったおかずを提供し、ごはんと味噌汁は施設内で子ども達とスタッフが手作りしているとのこと。
本当にいろいろなやり方があるのだなと感じました。
食事の提供するしないだけではなく、旬の食材や地元の食材、調理する楽しさも一緒に体験できるといいですね。

2023年8月18日(金)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。