広がっています!孤育てを救う「赤ちゃん食堂」

子ども食堂は全国に広がっていますが、最近は赤ちゃん食堂も広がりを見せています。
乳幼児とその母親に、低料金もしくは無料で食事を提供する仕組み。
育児に追われ自分の食事や睡眠さえもままならない母親たち。
そんな母親たちの孤独を救い、居場所作りや仲間作りに一役買っているそうです。
(※2024年1月29日(月)朝日新聞朝刊を参考にしています)

神奈川県寒川市の助産院「ママナハウス」の取り組みは・・・

ある日の午前11時過ぎ、乳幼児用の月齢に合わせた手作りの食事が用意され、赤ちゃんたちは手づかみや慣れないスプーンを使って食べています。
お代わりをアピールする子も。
母親用の野菜たっぷりの食事も用意され、母親同士会話を楽しんだりしています。
参加するある母親は「家にいると自分のことは全て後回し。ここだったらゆっくりご飯が食べられる」と笑顔を見せているそうです。
その他にも「家族以外と会話ができる」「持ち物が少なくて済む」などありがたいと感じている母親が多いそうです。

代表は4人の子どもを育てるママ

ママナハウス代表の菊池さんは、自身も4人の子どもを育てる母親。「自分もこんな場所が欲しいと思っていた。地域の人たちと協力しながら誰かと食事をすることで孤立させないように続けていきたい」と話しています。

同様の取り組みは広がっている

東京都の一般社団法人「ネルコ」は母親がゆっくり休めるように食事の間はボランティアが赤ちゃんをあやしてくれるそうです。
京都府の小規模保育園「あだちほいくえん」では園で給食として提供している離乳食を無料で提供するイベントを開催。とても好評だったとのこと。
横浜市内の任意団体「まちの相棒」では母親とボランティアが一緒に食事作りをして離乳食つくりの工夫を学べる場を提供しているそうです。

国も「産後ケア」には注目

「ワンオペ育児」や「アウェー育児」1人で朝から晩まで孤立した子育てをしている母親は多いです。孤立感を深めていることが社会的な問題にもなっています。
国も産後ケアには力を入れてきました。2021年の母子保健法の改正では産後ケア事業は市区町村の努力義務とされました。
2021年度は約8割が実施し、2024年度末までには全国展開を目指す、となっています。
特に離乳食は育児で悩む事柄のひとつ。食堂ではスキルとして学べたりするので、母子にとって赤ちゃん食堂のような場所は絶対に必要です。
現実に育児ストレスで虐待が起きたり育児放棄がされたりするケースは後を絶ちません。
ボランティアだけでは成り立たないので行政や国の支援が今後絶対に必要になるでしょう。