少子化ゆえの大問題?「教育虐待」

親は「教育」「しつけの一環」と思っていても、子どもの心身を傷つける教育虐待。少子化ゆえに発生したこの言葉はとても重い問題を私たちに突き付けています。
どうすれば防げ、なくせるのでしょうか?
朝日新聞のアンケートによると社会の変化や周囲の支えを求める声も挙がったとのこと。
今回は教育虐待について考えてみましょう。
(※2024年2月4日(日)朝日新聞朝刊を参考にしています)

そもそも教育虐待とは?

子どもの心身の限界を超え、親が教育を強制すること、と捉えます。勉強だけでなくスポーツや音楽も含みます。親が子どもに必要な教育を受けさせない教育ネグレクトも教育虐待にあたりますが、近年問題になっているのが、厳しすぎる教育をしたり、習い事を山のように習わせたりする教育虐待です。
少子化や高齢出産が進み、子育てに失敗できない40代の一人っ子を持つ親が陥ることが多いです。高学歴で高収入のため、良かれと思って子どもに最高の教育を受けさせたいと躍起になり、親は子どものSOSに気付かないこともあります。
朝日新聞の取材によると、教育虐待を受けた子どもたちが大人になり「親の方針に逆らうことができなかった」と当時のことを語っています。

子どもを持つ親が意識すべきことは?

受験の結果や学校のブランドで子どもの人生が決まるわけではありません。失敗しても何度でもやり直せますし、お金や地位と幸せは必ずしも比例関係になるとは限りません。
とにかく「こうしなきゃ」や「こうあるべき」から一歩引いて考える必要があります。子どもの人士は子どものもの。「自分がコントロールしなきゃ」とは絶対に思わないことです。
またじぶんが果たせなかった夢を子供に託すのも身勝手。親も夢に向かったり好きなことに熱中したりする姿を見せる方法はとても有効です。

子育虐待に陥らないために保護者ができること

①厳しい指導や教育は、子どもの非行や自傷行為につながることがある、と自覚すること。
②指導ではなく子どものやりたいことの並走者となることを心がける。
③勉強以外にもその子の好きなことや才能は必ずあるはず。それをよく観察する。
④やりすぎたかなと思ったら、遠慮なく教育支援センターやNPOなどに相談し、第三者に助けてもらう。
⑤保護者が子育て100%とならないように、打ち込めることを見つける。

多くの保護者は「子どものことを思って」と発言しますが、それが子どもにとってトラウマになっているとは思っていないでしょう。子どもの中につらい気持ちがだんだん積み重なるとやがて大きな傷になってしまいます。
「教育虐待」という概念をもっと親自身も学ぶ必要がありますし、考える機会を持つことも大切でしょう。