保育園での食育について その2


0~2歳までの「食育」は、まずはさまざまな食材の味に慣れ、五感で食事を楽しむことでした。
3歳以上となると、食材がどのようにして料理になるのか、また、健康と食物の関係に関心持ったり
正しい食事マナーを身に付けることがポイントになってきます。

3歳児の食育

3歳児では、いろいろな野菜や食べ物を身近に感じ、それらがどんな料理になっているのか、ということに関心を持つことが大切です。それには、食育をテーマとした絵本の読み聞かせや、園での野菜栽培、または畑見学に行って、実際に育っている野菜に見て触れる機会を持つようにしましょう。

食材がどのようにして食卓に運ばれていることを知れば、自然と「いただきます」「ごちそうさま」の意味が理解できるようになります。また、作ってくれる方への感謝の気持ちも身に付けることができるでしょう。

食材と料理の関係の理解とともに、食事のマナーを身に付けることも大切です。
基本的にお箸の練習は3歳くらいから開始します。最初は補助機能付きの箸を利用するのも良いでしょう。保育者が見本をみせながら、子どもが失敗しても挑戦しようとする意欲を大切にしながら、見守るようにしましょう。但し、お箸の導入は個人差が大きいため、家庭と連携をしながら進めるようにしましょう。

4歳児の食育

4歳以上になると、自分にとって必要な食品の種類とその働きについて関心を持つことが重要です。
好きなものばかり食べていてはなぜいけないのか、栄養のとれた食事とはどんなものなのかについて学びます。
そのためには食育関連の絵本の読み聞かせの他に、絵カードなどを使って、食品群別に分けるゲームをしたりするのも有効でしょう。

また、おにぎりやサラダ、はさんだり載せたりするだけのおやつなど、自分で調理し、食べるという機会を持たせることも大切です。ただし、包丁や火を使った調理の開始については、5歳以降が多いとされています。使用の際は必ず保護者に確認をしましょう。

食事のマナーの確立とともに、日本の文化と食の関係性に気付き、旬や郷土の食材についても学ぶことができるような環境を整えましょう。

5歳児の食育

5歳はこれまで段階的に学んできたことの総仕上げの期間です。
その1で紹介した厚生労働省の食育指針が就学前に達成できるよう、家庭や地域とも連携しながら食育計画を進める必要があります。

厚生労働省の食育指針を具体的にすると以下の通りです。

① 3食しっかり食べる食生活のリズムを作る
② 好き嫌いなく栄養のバランスを考えて食事ができる
③ みんなで食卓を囲んで食べる楽しさを共有できる
④ 食材と料理の関係性を理解し、進んでお手伝いができる
⑤ 食べ物について話題にすることができ、感謝の心を持つことができる

①~⑤が達成できていれば、幼児期に身に付けた食の知識は
生涯に渡ってその子の基礎となり、正しい知識を伝える大人へと成長することができます。

食はあらゆることの基礎となることから、
0歳から5歳にかけて着実に身に付けていけるよう、配慮していきたいものです。