「こども食堂」は、2012年より東京都大田区にある八百屋さんが始めたのをきっかけに、全国に広がり、現在では、全国で2,200カ所の「こども食堂」があるとされ、その利用者は年間で100万人を超えるとのことです。
こども食堂の役割
こども食堂の役割は、運営主体で活動内容や目指しているものも多少の違いはありますが、基本的位置づけは、家庭の都合で満足な食事を取ることができない子どもたちのために、地方自治体等が主体となり、無料または低価格で子どもたちに温かい食事を提供することで、食から子どもたちの健やかな成長を支えるというものです。
また、子どもたちに単に食事を提供するだけではなく、その家族も有料で食事ができるようにもなっており、家族が集まる場所として、地域の住民たちが集まるコミュニケーションの場としても活用されています。
こども食堂の問題点
2012年から現在までの間に2,200カ所も広がりをみせた理由としては、「誰でも」始められるという点にあります。しかし、運営はボランティアであり、その運営方法も運営主体にゆだねられているため、その運営に明確な基準があるわけではなく、運営側の都合で突然閉鎖するケースも少なくないそうです。
子どもの貧困率は昭和61年の10%から30年間上昇し続け、平成21年に15.7%まで上昇して初めて政府が子どもの貧困率を公表しました。平成27年には13%少し下がったものの、未だ270万人の子どもが貧困状態にあるとされています。
こども食堂が安定して運営できる状態でなければ、たちまち困窮してしまう子どもたちが多数いるということなのです。
貧困対策には、こども食堂を含めた総合的な支援が不可欠
子どもの貧困問題に対して、「こども食堂」はあくまでも応急処置的な位置づけであって、解決策ではありません。子どもの貧困問題に関しては、貧困家庭を孤立させないよう、継続的な多方面からの支援が不可欠です。
そのためには、地方自治体や、地元の企業、住民一丸となって、困窮する家庭に対して継続的に支援する仕組み作りや、をすることが必要になるのではないでしょうか。
そのことが貧困による負の連鎖を断ち切る第一歩となるでしょう。