子どものうちからの食育、食生活習慣作りが大切と言われていますが、それには根拠があるのです。
赤ちゃんとして誕生してから、子どもの成長に伴って味覚はどのように形成されていくのかについてご紹介いたします。
味覚はどのように成長するのか
まず、味覚とは、
「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の五味をさします。
味の違いにはそれぞれ意味があり、例えば「甘味」ならエネルギー源、酸味なら腐敗の可能性など
味の違いによって脳が口にしたものが安全かそうでないかを判断しているのです。
その味の違いはどうやって感じるのかというと、
舌の表面を見てみると、小さなブツブツが沢山あります。これは「味蕾(みらい)」と呼ばれる、味覚神経を介して脳に信号を送る感覚器官です。
この「味蕾」は、妊娠7週目位からでき始め、14週位でほぼ大人と同じ構造となり、生後3か月後に味蕾の数はピークになります。
5カ月位になると、味蕾の数はそのままですが、味覚だけが鈍感になっていきます。
3ヶ月位は味覚の感覚が最も鋭くなる時期のため、この時期にミルクを変えたり、お母さんが刺激物を食べたりすると、
赤ちゃんは鋭く感知して、飲むことを拒否したりします。
対して、5ヶ月位では味覚の鋭さが鈍感になっていくため、離乳食に移行しやすくなる、というわけですね。
子どもの味覚は3歳までに決まると言われるわけ
上述したように、五味にはそれぞれ違った脳の信号を送る役割をしているのですが、
「酸味」「苦味」に関しては基本的に、身体にとって害になるかもしれない、という信号を送るため、子どもは特に、この2つの味の食べ物を嫌います。
嫌いなのは本能だからといって、「甘味」「塩味」「うま味」の食事しか与えないのでは、
味覚が育たないばかりか、必然的に「砂糖過多、高塩分、高カロリー」の食事となってしまい、健康を害してしまいます。
エネルギー源である「甘味」は産まれてすぐから反応できますが、
「塩味」については1歳から3歳にかけて成長すると言われているため、
味覚が完成する3歳までの間に、バランスよく五味を体験できるような食生活を心がけることが大切です。
また、食生活の中でも、以下の人工的に作り出された味付けがされたものは
成るべく避けるようにしましょう。
これらはいわゆる「病みつきのおいしさ」と言われる味で、
自然由来の食材よりも美味しく、味がはっきりしているため、
お腹が空いていなくても食べたくなり、一旦この味を覚えてしまうと本来の食事に戻ることが難しくなってしまいます。
①ケチャップ、マヨネーズ、ソースなどに味付けを頼らない
②人工着色料、人工甘味料など添加物が多く含まれている食品は避ける
③トランス脂肪酸が含まれる、ショートニング、マーガリンなどは避ける
④糖分、油分の取りすぎに注意する
いかがでしたでしょうか。
こどもが将来かしこく、自分にとって必要な食事を自分で作り、摂取できるようになるために、
幼児期のころから、きちんとした食生活を送るようにしたいものですね。