広がる子ども用コスメ人気が映すアルファ世代の憧れと親たちの戸惑い

Open case with cosmetics isolated on white background. Vector cartoon close-up illustration

ブラジルで子ども向けコスメの人気が高まっています。
おもちゃより化粧品を望む子どもたちの姿から、現代の子育てや消費の変化が見えてきます。
(※2025年12月14日の朝日新聞の記事を参考にしています)

子どもが欲しがるものが変わってきた

クリスマス商戦が始まった11月末、ブラジル・サンパウロのショッピングモールでは、子ども用化粧品店を訪れる親子の姿がありました。
「エストレーラ ビューティー」で、エリゼオ・ホベルトさんは、12歳の娘マリアさんへのプレゼントについて店員に相談していました。
マリアさんがサンタクロースへの手紙に書いたのは、おもちゃではなく「スキンケアキット」です。
子どものころのクリスマスといえば、おもちゃを思い浮かべる人も多いと思います。
そのため、この話を読むと、時代が大きく変わっていることに少し驚かされます。

ドラマへの憧れと毎日のメイク

マリアさんは、ドラマに登場する10代の人物たちが化粧をしている姿に刺激を受け、7歳から毎日化粧をして登校しているといいます。
父親のホベルトさんは「おもちゃよりもコスメを欲しがる」と話しています。
子どもが身近な映像や登場人物に影響を受けること自体は、昔からあったように感じます。
ただ、それがスキンケアやメイクという形で日常に入り込んでいる点には、親として戸惑う人も少なくないのではないでしょうか。
憧れを持つ気持ちは自然でも、年齢に合った楽しみ方なのかは考えたくなります。

おもちゃメーカーが選んだ新しい市場

「エストレーラ」は、もともとブラジルの老舗おもちゃメーカーです。
近年は売り上げが伸び悩み、子ども用コスメに新たな可能性を見いだしました。
7年前に化粧品に特化した「エストレーラ ビューティー」を立ち上げ、現在は国内に16店舗を展開しています。
社員のタチアネ・ティモティさんによると、3~6歳の女の子の父親がクリスマスプレゼントを買いに来ることも多いそうです。
大きな店舗では、日に100人前後が購入するといいます。
数千円ほどの商品が売れ筋ですが、2万円を超すセットもあります。
子ども向けの商品とはいえ、価格を見ると本格的な市場になっていることが分かります。

アルファ世代に広がる美容への関心

2010年以降に生まれた「アルファ世代」の女子の間で、スキンケアやメイクへの関心が高まっています。
この流行は米国から広がり、欧州や南米にも及んでいるとされています。
売り上げは世界で700億円以上とされ、単なる一時的な話題では済まない広がりを見せています。
ブラジルパッケージ協会によると、2024年のクリスマスプレゼントとして最も売れた50品目のうち、約半分が化粧品で、前年より3割増えました。
子どもが自分を飾りたいと思う気持ちは否定しにくいものです。
一方で、幼いころから美容を強く意識することが当たり前になる社会には、少し立ち止まって考える必要もあると感じます。