食育におすすめの絵本 その3

保育園での食育におすすめの絵本パート3です。
4歳以上になると、少し長めのストーリーでも理解ができ、自分の経験と照らし合わせて絵本の内容を自分なりに考えることができます。
食べ物の好き嫌いもはっきりしてきますが、親がくどくどと言うより、絵本を読むことで子どもなりに納得することで、食べよう!という意欲がわいてくるかもしれません。

4歳児におススメの絵本

ぜったいたべないからね

作:チャイルド,ローレン 出版社:フレーベル館 新装版

チャーリーのいもうとローラには、きらいなたべものがたくさん!
とくにトマトは「ぜったい」いやなんですって。
チャーリーは、なんとかしてローラにたべさせようとするのですが…?

妹想いのお兄ちゃんが、好き嫌いの多い妹になんとか食べさせようと奮闘するお話です。
嫌いな食べ物を食べさせるために思いついたのが、食べ物に面白い名前をつけること。

ニンジンを、「はるばる木星から届いた”えだみかん”」
緑の豆は、「空から降ってくる”あめだまみどり”」

お兄ちゃんが名付けた食べ物に興味を惹かれて、ローラは嫌いな食べ物に挑戦するようになります。
外国の絵本ですが、翻訳された名前が絶妙でこれはどんな名前をつけるんだろう?
と楽しみながら読み進めることができる絵本です。

ぜひ、好き嫌いの多いお子さまと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。

きょうのごはん

作: 加藤 休ミ 出版社: 偕成社

ゆうがたのしょうてんがい。
さかなをかっているおかあさんがいるよ。ばんのおかずにするのかな。

魚屋さんにいたお母さんに付いていってみると今日のおかずは、美味しそうにこんがりと焼けたさんま。
そしてそのお隣のお家はカレーライス。そしてそのお隣は…?

1匹の猫がのぞいて歩く、色々な家の『きょうのごはん』が迫力あるクレヨン画で描かれている絵本です。
ページをめくるごとに現れるごはんは、どれもこれもたまらなく美味しそうで、おなかがすいてきそうなほどのリアルさ。
親子で読んでいると、今日これ食べた~い!となるかもしれませんね。
「きょうのごはんはなあに」と聞いて美味しいご飯が待っていること、家族で美味しいご飯が食べられること、何気ない日常がとても幸せなことだと感じさせてくれる温かな一冊です。

5歳児におススメの絵本

やさいのおにたいじ

作・絵: つるた ようこ 出版社: 福音館書店

お屋敷に住む日野菜姫さまが、東の山のおそろしいこんにゃくいもの鬼にさらわれてしまいました。
助け出すべく立ち上がったのは、知恵と勇気のある6人の野菜たち。6人は無事に姫を助けることができるのでしょうか?

「酒呑童子」の物語を野菜におきかえた絵本です。
よく知られる鬼退治の伝説ですが、その姿をよく見ると、敵も味方も、なんと野菜! 鬼はツノの生えたこんにゃく芋でとってもユニーク。
つるたようこさんの優しい絵柄で、擬人化された京野菜たちの鬼退治の物語が、京ことばをまじえてつづられていますので、とても楽しく読み進めることができる絵本です。

しんでくれた

作: 谷川 俊太郎 絵: 塚本 やすし 出版社: 佼成出版社

うし しんでくれた ぼくのために
そいではんばーぐになった
ありがとう うし

「しんでくれた」。手にすることをためらうようなタイトルの絵本ですが、
谷川俊太郎さんの詩と力強い絵で「命をいただく」ことの意味を伝えてくれる一冊です。
食べ物になる動物たちの死を、ただ悲しんだりするのではなく、
生き物は生き物を食べて生きているのだということ、そのおかげて生きていられるのだということ、「いただきます」ということばに込められた感謝の気持ちを知ることができます。

自分が口にしている食べものがどのような工程で目の前に食事として出されているのか、
シンプルに子どもに伝えることができる絵本です。
子どもと一緒に、いずれ必ず知らなければいけない、命をいただくことへの感謝を学ぶ良いきっかけになるのではないでしょうか。