子どもは元気に外で遊ぶもの。
一般的にはそう思われていますが、時代の変化とともになかなかそうは言っていられなくなりました。
今はコロナ禍ということもあり、更に外遊びが難しくなりましたが、それ以前から子どもの外遊び離れは始まっていたのです。
それは子どもの意思とは関係なく、社会全体がそのようになってきています。
昔は、学校を終えた子どもたちはランドセルを置いて、暗くなるまで外で遊んでいたものです。
それが今の時代は、学校の授業の後は習い事や塾が待っています。
違うかばんに持ち替えて、新たな学びの場に行く子が増えているからです。
習い事や塾へ行くことは学業や知識向上という面ではいいことです。
ただし外遊びは単に遊んでいるだけでなく、実は大きなメリットがあることを知っておかないといけません。
外遊びをしないことは、そのメリットをデメリットに変えてしまう側面があるのです。
外遊びの5つの効果
①運動機能のUP
月齢、年齢とともに成長する運動機能ですが、毎日の体の使い方次第で随分違います。
歩く、走る、ジャンプするという基本的な動きとともに、ボールを投げたり蹴る、なわとびを飛ぶ、ラケットで打つ、ぶら下がるなどその能力は格段に成長してゆきます。
これらは日ごろから体を動かしていないと、一日や二日でできることではありません。
家の中ではできない大きな体の使い方を自然に覚えることになるのです。
②健康的な体づくり
外で体力を消耗することで、空腹を覚えます。しっかりと夕食を摂り、栄養補給ができます。
そして就寝時間に気持ちよく睡眠に就くことができます。
充分な質のいい睡眠をとることで、朝の目覚めがよく、一日のリズムが作りやすくなります。
③心の安定
狭い部屋の中よりも大空の下の方では開放感があり、屋外ならではの多くの発見があります。
そこでの「わかった」「見つけた」「できた」という刺激や成功体験は心の成長に繋がっています。
また日光を浴びることで体のみならず、心の安定にも多大ないい影響があるのです。
④社会的な対応力のUP
外遊びの中で、お友達と一緒に遊ぶことで暗黙のルールやマナー、協調性を学びます。
家族の中では自分の主張が通っても、複数のお友達の中ではそうはいかないこともあります。
秩序を守り、コミュニケーションの和を乱さない努力も自然に身ついてきます。
⑤認知機能のUP
子どもは遊びの中からコミュニティに順応する力をつけていきます。
公園でブランコに乗る際は順番が来るのを並んで待つ。
鬼ごっこで、どこに逃げれば鬼に捕まらないかを考えて行動する。
複数名のなわとびでは、全体の成功を考えて自分の役割をこなす。
こういった「社会の中で自分は何をすべきか」を学び取っているのです。
以上のことから、子どもの外遊びが減っていることは嘆かわしい事実です。