幼児の歩行中の事故「飛び出し」が4割

 

過去5年間に発生した未就学の幼児が歩行中に死亡または重傷を負った交通事故において、幼児側の約4割に「飛び出し」が見られました。警察庁が事故の形態を分類し、発表しました。約3割は「違反なし」とされましたが、約2割には「幼児のひとり歩き」が含まれており、新学期を迎えるにあたり、警察庁は注意を呼びかけています。
(※2024年4月10日(水)朝日新聞朝刊の記事を参考に要約しています。)

未就学児童と小学生の歩行中の交通事故被害状況は

過去5年間の統計によると、歩行中に事故に遭い死亡した未就学の幼児は44人で、重傷を負ったのは470人でした。小学生の児童については、29人が死亡し、1937人が重傷を負いました。形態別では「違反なし」が4割で最も多く、その後に「飛び出し」や「横断違反」が続きました。
幼児は年齢が上がるにつれて歩行中の事故が増加し、児童は低学年ほど事故が目立ちました。警察庁は、外を歩く機会が増える年齢になると事故が多くなると見ています。

見通しの悪い場所での子ども交通事故の実態:警察庁の初分析では

警察庁は、小学生以下の子どもが歩行中に死亡または重傷を負った交通事故について、現場の見通しの状況を初めて分析しました。過去5年間のデータによると、見通しの悪い場所で発生した事故は全体の1割を占めており、これは全年齢と比較して3.8倍にあたります。
小学生以下の事故において見通しに影響を与えた要因としては、「建物等」が38.3%で最も多く、次いで「駐・停車車両」が35%、「渋滞車両」が11.3%、「看板、樹木等」が7.5%となっています。全年齢で見ると、「雨、霧、雪等」が15.7%で目立ちました。

警察庁の新たな取り組み「全国通学路での交通安全街頭指導」

警察庁は4月15日、全国の通学路で一斉に交通安全の街頭指導を実施いたしました。昨年までは全国一斉に取り締まりを行っていましたが、「スクールゾーン」などに侵入する通行禁止の違反が多いため、今回は子どもの安全確保を目的として、警察官が街頭に立ち、違反しそうな車両に積極的に声をかけることで未然防止を図るという方法を取りました。
警察庁は「違反が発生してから取り締まるのではなく、違反をさせないように取り組む」と述べています。

おわりに

今後増え続ける65歳以上のお年寄りについては、交通事故の増加が見込まれます。
一方で動きがゆっくりのお年寄りと違い、子どもは急に飛び出したりします。
今後はドライバーもさらなる安全運転が求められるでしょう。