「サンタさんはいるの?いないの?」こんな質問を子どもからされて困った保護者の方は多いのではないでしょうか?
子どもとサンタさんの研究をし、発達心理学が専門の三重大学教育学部教授の富田昌平さんのご意見、みなさんはどんな風に受け取りましたか?
小学校の低学年までは信じている子どもが多い
富田教授の実験やインタビューによると、幼児期から小学校の低学年までの子どもは信じている子どもが多いことが分かったそうです。
その後、興味深いことに小学校3,4年生以降は信じない子ども割合が、信じる子どもの割合を上回るそうです。
小学校の3,4年生くらいになると、客観的に物事を捉えたり、論理的に認識したりすることができるようになってくることが大きいようです。それで、聞いたことをうのみにしなくなってくるのだとか。
例えば、トナカイとサンタが空飛ぶそりでやってくるなど、不自然な出来事であり、疑わしいなと感じるようになるんだそうです。
本当のことを言っても・・・子どもが大きく傷つくことはない?
海外の研究では、子どもが本当のことを知っても大きく傷ついたりネガティブに捉えたりすることは少ない、と示すものもあるそうです。
それどころか、「親が自分にサンタさんという夢を与えてくれた意味は何なんだろう?」と考えはじめるそうです。
それは、無事に大きくなってくれた感謝の気持ちなのかもしれないし、楽しさや驚きや創造力を与えたかったからかもしれない・・・
子どもなりに意味をとらえて大切に感じるだからこそ、自分が親になった時に繰り返すのだそうです。
親はネガティブな印象を与えないように注意です!
例えば、「悪いことをしていると、プレゼントを持ってきてくれないよ」など、ネガティブな体験になってしまうので注意が必要とのことです。
子どもにとってはサンタさんはスーパーポジティブな存在です。サンタについて悲しい記憶があると、後でいないと分かった時に「うそをつかれた!」と子どもは思ってしまうのかもしれません。
子どもにとってファンタジーな経験はかけがえのないもの
サンタさんを信じさせるのは、子どもにうそを教えること、と否定的に捉える大人はある一定数いるのは事実です。
ですが、このようなファンタジーな経験は、子どものおしゃべりを活発にし、創造力を豊かにします。また大人になっても鮮明な記憶として残るそうです。
ぜひ大人もファンタジーから見える子どの成長を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
年に一度、子どものサンタさんの反応から、子どもがたくましく成長している様子がわかり、感慨深いものになるかもしれません。
2022年12月17日(土)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。